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【 ニュース 】公益目的事業で震災後の海岸林復旧対策事業地を研修しました
去る10月12、13日の2日間、震災発生後6年経過した岩手県の海岸部の震災復旧事業地を視察研修しました。これは、当社団の公益目的事業の一環として、広く県や市町村の職員の皆さんを対象に、森林土木事業の技術向上を目的に実施したもので、今回は、県関係者10名、当社団6名の計16名が参加しました。
平成23年3月に発生した巨大な津波は、多くの生命・財産を奪い、社会基盤を破壊しました。海岸林の被害も全国で3660haに及び、特に、岩手県から福島県にかけて被害が甚大で、消滅した海岸林も多いと聞きます。国では、平成24年に復旧に向けた基本方針をつくり、現在、各県で護岸工や植栽工などを実施している途上であるとのことです。
(視察地1 高田松原地区)
350年の歴史を持つ有名な「高田の松原」は津波の巨大なエネルギーによりほとんど消滅し、後方の中心市街地に壊滅的被害をもたらしました。現在は、海面高3mの第一線堤(護岸工)を造成し、その背面に、植栽木に影響を与えないように海面高3.6mまでの盛り土、さらに、林帯幅約100mの計画でコンテナ苗のアカマツ、クロマツ植栽を実施しています。植栽木は将来の松くい虫被害に備えマツノザイセンチュウ抵抗性苗を使用、また、将来の林分過密化を防ぐ配慮として、植栽密度はヘクタール当たり5000本と比較的少なくしていました。さらに、その後方には、海面高12.5mの第二線堤が造成されています。なお、人々に松原を身近に感じてもらうため、植栽8haのうち2haを市民参加により実施する計画です。事業期間は平成26~31年度で総事業費13億円の大きなプロジェクトとなっています。
(視察地2 釜石市根浜地区)
当地区は海岸林延長573mのうち、特に起点側と終点側が大きな被災を受け防潮堤を新設し、その他の部分は1mほどの地盤沈下分を既設防潮堤の嵩上げで対応しておりました。防潮堤の高さは、幾多の地元協議を経て、最終的に海面高5.6mとなりました。また、消失した海岸林0.47haは植栽工を実施しておりました。
(視察地3 宮古市田老地区)
当地区は、明治(1896年)、昭和(1933年)と続けて大津波による壊滅的被害を受け、俗に「万里の長城」と呼ばれる海面高10mの長大な防潮堤を築いたことで有名ですが、このたびの津波は、この防潮堤も越え町に壊滅的な被害を及ぼしました。当地域では防潮堤の新設、増設とともに、既設防潮堤を「震災遺構」として保存活用しています。また、過去に度重なる津波被害を受けてきたことから、町では避難や防災教育にも熱心であったと聞きます。災害への住民意識が高かったこともあってか、被災後、いち早く、町づくり復興計画をまとめ、高台への集団移転を早期に完成させていました。
(視察研修を振り返って)
今回の研修では、防潮堤や海岸植栽の技術的な観点はもとより、防災施設と土地利用、避難施設、避難体制などのハードとソフトの組み合わせにより防災計画を策定することの大切さを改めて実感しました。例えば、巨大津波を想定しつつも、施設のみに頼らない「減災」の視点を持ち、景観、土地利用、住民避難なども考慮し、地域の意見を取り入れ、地域ごとに防潮堤の高さを設定していることなどに、ソフト重視の考え方が強く感じられました。すなわち、ハード的な考えも大切ですが、地元の皆さんとの意見交換が計画や具体的な事業を進める上で大きな力となっているということです。
今回、研修参加者からは、海岸林の重要性を再認識した、今後もこうした研修機会を充実していただきたい、などの声が多数寄せられました。当社団では、現場で幅広く治山林道業務に携わる関係者の皆さんの一助にと、今後もこうした公益業務を行っていくこととしております。
終わりに、多忙な中、現地の説明を頂いた岩手県職員の皆様に感謝申し上げるとともに、被災地に対し、一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
平成23年3月に発生した巨大な津波は、多くの生命・財産を奪い、社会基盤を破壊しました。海岸林の被害も全国で3660haに及び、特に、岩手県から福島県にかけて被害が甚大で、消滅した海岸林も多いと聞きます。国では、平成24年に復旧に向けた基本方針をつくり、現在、各県で護岸工や植栽工などを実施している途上であるとのことです。
(視察地1 高田松原地区)
350年の歴史を持つ有名な「高田の松原」は津波の巨大なエネルギーによりほとんど消滅し、後方の中心市街地に壊滅的被害をもたらしました。現在は、海面高3mの第一線堤(護岸工)を造成し、その背面に、植栽木に影響を与えないように海面高3.6mまでの盛り土、さらに、林帯幅約100mの計画でコンテナ苗のアカマツ、クロマツ植栽を実施しています。植栽木は将来の松くい虫被害に備えマツノザイセンチュウ抵抗性苗を使用、また、将来の林分過密化を防ぐ配慮として、植栽密度はヘクタール当たり5000本と比較的少なくしていました。さらに、その後方には、海面高12.5mの第二線堤が造成されています。なお、人々に松原を身近に感じてもらうため、植栽8haのうち2haを市民参加により実施する計画です。事業期間は平成26~31年度で総事業費13億円の大きなプロジェクトとなっています。
(視察地2 釜石市根浜地区)
当地区は海岸林延長573mのうち、特に起点側と終点側が大きな被災を受け防潮堤を新設し、その他の部分は1mほどの地盤沈下分を既設防潮堤の嵩上げで対応しておりました。防潮堤の高さは、幾多の地元協議を経て、最終的に海面高5.6mとなりました。また、消失した海岸林0.47haは植栽工を実施しておりました。
(視察地3 宮古市田老地区)
当地区は、明治(1896年)、昭和(1933年)と続けて大津波による壊滅的被害を受け、俗に「万里の長城」と呼ばれる海面高10mの長大な防潮堤を築いたことで有名ですが、このたびの津波は、この防潮堤も越え町に壊滅的な被害を及ぼしました。当地域では防潮堤の新設、増設とともに、既設防潮堤を「震災遺構」として保存活用しています。また、過去に度重なる津波被害を受けてきたことから、町では避難や防災教育にも熱心であったと聞きます。災害への住民意識が高かったこともあってか、被災後、いち早く、町づくり復興計画をまとめ、高台への集団移転を早期に完成させていました。
(視察研修を振り返って)
今回の研修では、防潮堤や海岸植栽の技術的な観点はもとより、防災施設と土地利用、避難施設、避難体制などのハードとソフトの組み合わせにより防災計画を策定することの大切さを改めて実感しました。例えば、巨大津波を想定しつつも、施設のみに頼らない「減災」の視点を持ち、景観、土地利用、住民避難なども考慮し、地域の意見を取り入れ、地域ごとに防潮堤の高さを設定していることなどに、ソフト重視の考え方が強く感じられました。すなわち、ハード的な考えも大切ですが、地元の皆さんとの意見交換が計画や具体的な事業を進める上で大きな力となっているということです。
今回、研修参加者からは、海岸林の重要性を再認識した、今後もこうした研修機会を充実していただきたい、などの声が多数寄せられました。当社団では、現場で幅広く治山林道業務に携わる関係者の皆さんの一助にと、今後もこうした公益業務を行っていくこととしております。
終わりに、多忙な中、現地の説明を頂いた岩手県職員の皆様に感謝申し上げるとともに、被災地に対し、一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
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