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秋田県林業コンサルタントからのお知らせ

 

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【 ニュース 】北海道胆振東部地震の復旧対策事業地などを視察しました


   去る10月9~11日の3日間、東日本大震災発生後8年を経過した岩手県野田村の災害復旧状況と、昨年9月に発生した北海道胆振東部地震の災害対策の状況を視察しました。これは、当社団の公益業務の一環として、森林土木事業に関係する職員の技術向上を目的に実施したもので、今回は、市町村、県、当社団の職員計20名が参加しました。

 初めに、岩手県野田村前浜地区の海岸防潮護岸工を視察しました。当地域は久慈市から15Kmほど南下した野田村十府ケ浦海岸に位置し、大震災による津波により、海岸施設やクロマツ林、そして、内陸市街地に甚大な被害が発生しました。

 震災後の復旧対策として、防潮護岸の新設や既設護岸の嵩上げ、基礎地盤の液状化対策などが行われ、現在では、計画したTP+14mの防潮護岸が全て完成しております(被災前はTP+10~12m)。また、林帯幅50~150mのクロマツ林帯も消失したため、完成した膨張護岸の背面に地下水位に応じた盛り土を行いつつ、防風柵設置とクロマツ苗植栽を行っています。計画では、総延長1340m、事業費44億円に及ぶ海岸林整備があと一年ほどで完了する予定です。


            新設された膨張護岸提(TP+14m)

      膨張護岸提背面(内陸側)に植栽されているクロマツ林

    次に、北海道胆振東部地震の災害対策を視察しました。地震被害発生後1年ほどしか経過していない中、勇払郡厚真町にて、北海道水産林務部治山課の土岐主幹から、災害対策についての丁寧な説明をいただきました。
 震度7の激震により、多数の死者、負傷者、住宅被害等が発生したのは周知のとおりですが、林務関連では、明治以降最大規模となる、約4300haの林地崩壊が発生しました。こうした広域の林地崩壊が発生した原因の一つとして、樽前山噴火などによって噴出した火山灰や軽石などの火山堆積物が弱い地層を形成していたことが考えられるとのことです。

 現在、治山施設の設置や林道等の復旧、被害木の整理・搬出と植林、木材の有効活用など、被災地域の再生に向けた総合的な対策に取り組んでいます。
 この中で、多数の林地崩壊が発生し人家が押しつぶされた吉野地区など、人命、人家等に被害を与えた山腹崩壊箇所は、最優先で、倒木、崩落土砂の一部撤去を行った後、法枠工、水路工、土留工などを、工区を分割しながら、大規模に施工中でした。また、関係者の協定により、倒木等の集積が効率的に行われ、その有効利用が進められていました。総被害額が500億円にも達した甚大な被害であることから、今後とも、復旧には各方面からの支援を得ながら、長期的に取り組んでいく必要があるとのことです。

 今回の研修では、2地域の大規模災害地を視察しました。近年は全国的に豪雨災害が多発しており、研修参加者からは、広域な災害が発生した場合の復旧対策や支援方策などについて種々の意見が出されました。また、今後ともこうした視察研修を設定していただきたいとの声が多数寄せられました。当社団では、技術向上や普及啓発を目的に、今後もこうした公益事業を続ける予定としています。

 
     北海道水産林務部土岐主幹から、復旧計画等の説明を受ける

 地震発生後、広域に土砂崩落が発生し、現在、崩壊地の土砂撤去と整形工事中

   主に法枠工法を主体とした斜面安定対策工事を施工中

 関係者協議により数か所に被害木置き場を設置し効率的な搬入利活用を実施

              視察研修の参加者
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