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【 ニュース 】西日本豪雨で被災した広島県の復旧支援を行ってきました
死者・行方不明者230名の大きな被害が出た西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨災害)の早期の復旧にむけて、当社団から、中嶋業務部長、佐々木主幹、木村専門員の3名が、広島県北広島町の林道被災地の復旧支援を行ってきました。
派遣先の広島県では、 7月6~8日の豪雨により、死者・行方不明者が110人を超え、県内各所で水害や土砂災害が発生し、現在でも、道路、水道などのライフラインの復旧が急がれています。治山、林道などの林業被害については山間地であることから未だ不明な箇所が多いようですが、現地からの聞き取りによると、早期の復旧を要する林道施設だけでも300か所あるとのことです。こうした未曾有の災害の中、短期間で復旧対策をまとめあげる技術者が限られているため、一般社団法人広島県森林協会の要請に応じ、7月29日~8月10日の13日間、当社団の経験豊富な技術者3名が派遣されたものです。
当社団職員に託された被災現場は北広島町政所など林道7路線8か所の路面崩壊地など。周辺林層はスギやヒノキの壮齢林が多く、路面はカーブ設定した盛り土の箇所が大部分でした。路体維持には、こうした箇所の雨水処理が重要ですが、このたびの降水量は観測史上最大を記録した観測地点が多数出るなど、想定以上のものでした。
また、土質は花崗岩が風化した「まさ土」でした。「まさ土」は、四国、中国地方に広く分布しており、地表に近い層に堆積していることが多く、強い降雨により、崩落、流出しやすい土層として知られています。先の平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害においても、この土質が大きな被害を引き起こした一因とされています。
広島県担当者と被災現場の確認
昨年度から、激甚災時の国の災害査定においては、設計図書は平面図、標準断面図、必要写真は被災全景写真、起点、終点写真となっており、測量や事務作業の一部効率化が図られています。しかし、いづれは詳細設計が必要であり、後日の負担軽減を考えて、詳細設計を想定した細部測量もこなしてきました。猛暑日が続く炎天下で現地測量を行い、設計図作成、設計数量等のとりまとめを行い、派遣先で完成できなかった箇所は秋田に持ち帰って仕上げ、8月末を目途に、成果品を広島県森林協会に送付する予定としています。国の災害査定は9月中旬から始まるので、その日程に間に合わせる計画です。
また、多忙な現地関係者に負担をかけず作業を行う必要があり、移動車、測量製図機器、パソコンなど必要器具は全て秋田からの持ち込みで、現地関係者との打ち合わせも最小限で行いました。派遣終了後、遠く秋田から早期に被災地支援を行ってくれたことに対し、広島県森林協会から謝意が伝えられました。
まさ土による林道路体の崩落現場
35度以上の炎天下の測量に備えて 現地の測量スタッフの皆さんと
当社団では、これまで、東京都三宅島噴火災害、福島県南会津豪雨災害、新潟県上越地震災害、岩手県宮古市豪雨災害など他県で発生した大規模災害には、当社団の務めとして、率先して災害現場に駆けつけ、復旧計画策定に向けた現地支援を行ってきております。
全国各地で豪雨災害が発生する昨今、本県でも他県からの支援を必要とする大きな災害がいつ発生するかわかりません。こうした災害への備えも含め、当社団では、技術と経験を生かし、今後とも、災害支援のネットワークを大切にしてまいりたいと思います。
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【 ニュース 】平成31年度林業予算の要望活動に出席しました
去る7月19日、秋田県森と水の協会が主催する次年度予算の要望活動に津谷永光会長他12 名が出席し、林野庁、財務省、国会議員に対し、次年度林業予算の要望活動を行いました。当社団から小川理事長、熊谷専務理事、三浦理事が出席しました。
特に、近年、治山、林道予算が伸び悩んでいるため、市町村長等正会員49 名、林業団体長等賛助会員20 名の連名で要望書を作成のうえ、本県の現状や要望の具体的な内容を関係各位に説明してきました。
(要望内容)
1.治山事業予算の確保
①25年災や29年災の復旧のための予算確保
②火山噴火対策予算の確保
③治山施設の点検予算確保とメンテナンス技術の開発等
2.森林整備予算の確保
①造林補助事業予算の確保
②林内路網の予算確保と橋梁等の点検改修予算の確保
③「林業成長産業化総合対策」の予算確保
要望先は沖修司林野庁長官はじめ公共事業予算担当の各課室長、6名の自民党地元選出国会議員などです。
沖長官からは、「このたびの西日本豪雨災害からも明らかなように治山事業は重要。当初予算をしっかり確保し事前防災に努めたい。森林環境税については、本年度が制度改革の年、贈与税として措置される来年度が実行の年。林業の成長産業化に向け努力したい。」との言葉を頂きました。
沖林野庁長官への要望活動
自民党石井参議院議員への要望活動
【 ニュース 】東北4県の森林土木コンサルタント職員の研修を行いました
7月12~13日、青森、岩手、秋田、福島各県の森林土木コンサルタント職員の技術研修が仙北市田沢湖町で行われました。当日は、あいにくの雨の中、各県から13名が参加し、秋田駒ヶ岳の土石流対策や木材使用の橋梁について研修しました。
初めに、秋田駒ヶ岳の土石流対策として、現在施工中の石黒沢NO1鋼製谷止工や先達川の既設砂防堰堤などを視察しました。この地区の渓流は駒ヶ岳火山活動に起因する土石の移動が活発で、昭和40年代から防災施設が設置されてきているものの、施設の満砂や老朽化が進み、近年、追加の対策工事を実施してきています。火山地域特有の大転石と抑制するべき土砂量の多さにより、堤体ボリュームも大きくなり、年度ごとに予算配分に応じた対策工事を実施してきています。
現地では、国立公園内であることから、景観に配慮した化粧型枠や在来種による緑化工についての質疑などが活発に行われました。
また、木材の土木活用の一例として、田沢湖県有林のCLT橋梁を視察しました。
土木施設の長寿命化が課題となる中、橋梁床版へのCLT活用は、軽量であり、主桁補強が不要であること、施工が容易なことなどから、近年注目されてきております。他方、強度や耐久性に不明な点もあることから、秋田県木材高度加工研究所が現場施工後の検証を行っております。参加者は、施設の説明を受けた後、興味深く設置状況などを観察しておりました。
日本各地で集中豪雨等が増加する中、対策工法の調査設計を担う各県コンサルタントの技術向上と情報共有が大切であることから、今後ともこうした研修を随時実施していく予定としております。
【 ニュース 】梅雨期前の豪雨災害が発生しました
5月17~19日、前線上の低気圧に湿った空気がはいり本県では記録的な豪雨が発生しました。気象台資料によると、3日間の総降水量(㎜)は、観測地点ごとに、北秋田市阿仁合223、仙北市田沢湖高原204、仙北市鎧畑188、仙北市桧木内177、秋田市仁別175などでした。秋田市の24時間雨量は、観測史上最大の156㎜を記録し、県内35観測所のうち23地点で5月の最大降水量を更新しました。
また、土砂災害に影響が大きいといわる最大時雨量(㎜)は、阿仁合49、男鹿46、田沢湖37、比立内37、五城目36などで、雨量強度も極めて大きいものでした。
この豪雨による林業関係被害は、5月末調査時点で、林地崩落が27か所、林道の路肩決壊等が153路線、311か所で被害額3億6千万円となっています。
なお、記憶に新しい昨年7月下旬の豪雨では、秋田、仙北、由利、平鹿地区を中心に、総雨量が300mm、時雨量は70㎜を超えた地域が発生しています。
本県の5月下旬は西日本に比べ少雨で、すがすがしい田植えの時期でもあり、こうした大雨はほとんど経験がありません。まさに、この時期としては異例の豪雨であり、これも近年の異常気象の一端なのでしょうか。
県森林整備課では、今後、早期の復旧を図るため、災害資料を早急に取りまとめ、県議会の6月補正予算提出、国の災害査定などを進めたい計画としています。
今後、梅雨期がやってくることから被災箇所の再災害のリスクもあります。地元自治体や住民の皆さんは、林地、林道被害地の拡大崩落などが発生しないように、シートや土嚢などを活用し、できるだけの応急措置を行っていただきたいと思います。
写真提供 秋田県森林整備課
また、土砂災害に影響が大きいといわる最大時雨量(㎜)は、阿仁合49、男鹿46、田沢湖37、比立内37、五城目36などで、雨量強度も極めて大きいものでした。
この豪雨による林業関係被害は、5月末調査時点で、林地崩落が27か所、林道の路肩決壊等が153路線、311か所で被害額3億6千万円となっています。
なお、記憶に新しい昨年7月下旬の豪雨では、秋田、仙北、由利、平鹿地区を中心に、総雨量が300mm、時雨量は70㎜を超えた地域が発生しています。
本県の5月下旬は西日本に比べ少雨で、すがすがしい田植えの時期でもあり、こうした大雨はほとんど経験がありません。まさに、この時期としては異例の豪雨であり、これも近年の異常気象の一端なのでしょうか。
県森林整備課では、今後、早期の復旧を図るため、災害資料を早急に取りまとめ、県議会の6月補正予算提出、国の災害査定などを進めたい計画としています。
今後、梅雨期がやってくることから被災箇所の再災害のリスクもあります。地元自治体や住民の皆さんは、林地、林道被害地の拡大崩落などが発生しないように、シートや土嚢などを活用し、できるだけの応急措置を行っていただきたいと思います。
写真提供 秋田県森林整備課
【 ニュース 】プラザクリプトン「学習交流の森」にCLT木橋を設置しました
このたび、当社団公益目的事業で、秋田市河辺のプラザクリプトン(秋田市河辺戸島字上祭沢)に隣接する「学習交流の森」に、秋田県立大学木材高度加工研究所佐々木貴信教授の指導を得て、床版にCLTを使用した橋を2基設置しました。
CLTは板材(ラミナ)が直角に交わるように重ねて接着した構造用材料で、ヨーロッパで開発・実用化が進み、8~10階建てのマンションや、中・大規模の商業施設や公共施設、集合住宅などが実際に建てられています。
日本では、近年、木材の需要拡大の観点から、林野庁や国土交通省がCLTを推進しており、建築基準法上の位置づけを得て、主に、高層階の建築材料としての活用が期待されています。
今回は、さらにCLTの可能性を広げようと、橋梁の床版に活用したものです。CLT床版は、すでに、平成29年に、仙北市石倉沢県有林で施工済みです。
「学習交流の森」 では、2基の床版が、それぞれ3×1m、4×1mで、厚さは、いずれもラミナ厚2.4cmの5層で計12cmです。3m橋には防虫剤を使用し、4m橋にはFRPラッピング処理を行い防腐薬剤は塗っていません。
屋外で使用する木材について、強度や耐久性を持続させるには、劣化・腐朽対策が重要です。今後、設置後の耐久性等について、佐々木教授が中心となり検証することとしています。
プラザクリプトン「学習交流の森」に設置されたCLT木橋
CLTは板材(ラミナ)が直角に交わるように重ねて接着した構造用材料で、ヨーロッパで開発・実用化が進み、8~10階建てのマンションや、中・大規模の商業施設や公共施設、集合住宅などが実際に建てられています。
日本では、近年、木材の需要拡大の観点から、林野庁や国土交通省がCLTを推進しており、建築基準法上の位置づけを得て、主に、高層階の建築材料としての活用が期待されています。
今回は、さらにCLTの可能性を広げようと、橋梁の床版に活用したものです。CLT床版は、すでに、平成29年に、仙北市石倉沢県有林で施工済みです。
「学習交流の森」 では、2基の床版が、それぞれ3×1m、4×1mで、厚さは、いずれもラミナ厚2.4cmの5層で計12cmです。3m橋には防虫剤を使用し、4m橋にはFRPラッピング処理を行い防腐薬剤は塗っていません。
屋外で使用する木材について、強度や耐久性を持続させるには、劣化・腐朽対策が重要です。今後、設置後の耐久性等について、佐々木教授が中心となり検証することとしています。
プラザクリプトン「学習交流の森」に設置されたCLT木橋
【 ニュース 】全国治山林道コンクールで林業専用道「大平下線」(能代市)が林野庁長官賞を受賞しました
去る11月30日、日本治山治水協会及び日本林道協会主催の「平成29年度治山林道コンクール」の表彰式が行われ、本県から、林業専用道「大平下線(能代市)」を施工した畠山建設工業株式会社(能代市)など4部門が表彰されました。受賞された皆様、誠におめでとうございます。
○治山工事:復旧治山蛭沢地区(大館市)
株式会社石戸谷建設: 日本治山治水協会長賞
○治山木材使用工事:予防治山庄内前田表地区(大仙市)
仙北森づくり推進課:日本治山治水協会長賞
○林道工事:林業専用道大平下線(能代市)
畠山建設工業株式会社: 林野庁長官賞
○林道維持管理:林道尻無沢線(鹿角市)
鹿角市:日本林道協会長賞
治山木材使用工事部門の庄内前田表地区について、一部、設計面から捕捉すると、斜面のかぶり、はらみなど不安定土砂を法切り後、土層厚が薄いため、くい打ちを必要としない段切り設置タイプの柵工を計画しました。柵工は、将来、植栽木成長時に自然腐食するように、間伐材の五段組傾斜タイプを、また、施工性を考慮して既製品を採用しました。小面積ではありますが、柵工、伏工の仕上がりが美しく感じられます。
また、林道工事部門の大平下線については、利用区域89haのうち9割が間伐期のスギ林であるため、今後の車両系作業を想定し、路網密度200m/ha程度を目標に2400mの路線を計画してあります(28年度実施延長1325m)。支障木を専用道敷境に活用、法尻への木柵施工などの土砂崩落対策に加え、適期の緑化施工なども評価されました。
いづれも、当社団が受託し、発注者の指示に基づき現場設計を行ったものです。
○治山工事:復旧治山蛭沢地区(大館市)
株式会社石戸谷建設: 日本治山治水協会長賞
○治山木材使用工事:予防治山庄内前田表地区(大仙市)
仙北森づくり推進課:日本治山治水協会長賞
○林道工事:林業専用道大平下線(能代市)
畠山建設工業株式会社: 林野庁長官賞
○林道維持管理:林道尻無沢線(鹿角市)
鹿角市:日本林道協会長賞
治山木材使用工事部門の庄内前田表地区について、一部、設計面から捕捉すると、斜面のかぶり、はらみなど不安定土砂を法切り後、土層厚が薄いため、くい打ちを必要としない段切り設置タイプの柵工を計画しました。柵工は、将来、植栽木成長時に自然腐食するように、間伐材の五段組傾斜タイプを、また、施工性を考慮して既製品を採用しました。小面積ではありますが、柵工、伏工の仕上がりが美しく感じられます。
また、林道工事部門の大平下線については、利用区域89haのうち9割が間伐期のスギ林であるため、今後の車両系作業を想定し、路網密度200m/ha程度を目標に2400mの路線を計画してあります(28年度実施延長1325m)。支障木を専用道敷境に活用、法尻への木柵施工などの土砂崩落対策に加え、適期の緑化施工なども評価されました。
いづれも、当社団が受託し、発注者の指示に基づき現場設計を行ったものです。
【 ニュース 】平成30年度林業予算の要望活動に参加しました
11月7日、秋田県森と水の協会が主催する次年度予算の要望活動に津谷永光会長他10名が出席し、林野庁、財務省、国会議員に対し、次年度林業予算の要望活動を行いました。当社団から熊谷専務他2名が参加しました。
特に、近年、治山、林道予算が伸び悩んでいるため、次年度予算確定前の時期に、市町村長等正会員49名、林業団体長等賛助会員20名の連名で要望書を作成のうえ、本県の現状や要望の具体的な内容を関係各位に説明してきました。
(要望内容)
1.治山事業予算の確保
①25年災や本年災害等の復旧のための予算確保
②火山噴火対策予算の確保
③治山施設の点検予算確保とメンテナンス技術の開発等
2.森林整備予算の確保
①造林補助事業予算の確保
②林内路網の予算確保と橋梁等の点検改修予算の確保
③「森林環境税(仮称)」の確実な創設
要望先は沖修司林野庁長官はじめ公共事業予算担当の各課室長、金田衆議院議員ほか5名の自民党地元選出国会議員などです。
沖長官からは、「7月に発生した災害の早期復旧をよろしくお願いする。治山事業は流木対策を含めた災害対策ができるよう事業内容を変更した。来年度予算の最大のテーマは、治山事業、森林整備事業、森林環境税の三つ。治山、林道、森林整備の公共予算の確保を図るとともに、林業の成長産業化に向け頑張るのでよろしく」との言葉を頂きました。
沖林野庁長官への要望
長官室での説明
金田衆議院議員への要望
特に、近年、治山、林道予算が伸び悩んでいるため、次年度予算確定前の時期に、市町村長等正会員49名、林業団体長等賛助会員20名の連名で要望書を作成のうえ、本県の現状や要望の具体的な内容を関係各位に説明してきました。
(要望内容)
1.治山事業予算の確保
①25年災や本年災害等の復旧のための予算確保
②火山噴火対策予算の確保
③治山施設の点検予算確保とメンテナンス技術の開発等
2.森林整備予算の確保
①造林補助事業予算の確保
②林内路網の予算確保と橋梁等の点検改修予算の確保
③「森林環境税(仮称)」の確実な創設
要望先は沖修司林野庁長官はじめ公共事業予算担当の各課室長、金田衆議院議員ほか5名の自民党地元選出国会議員などです。
沖長官からは、「7月に発生した災害の早期復旧をよろしくお願いする。治山事業は流木対策を含めた災害対策ができるよう事業内容を変更した。来年度予算の最大のテーマは、治山事業、森林整備事業、森林環境税の三つ。治山、林道、森林整備の公共予算の確保を図るとともに、林業の成長産業化に向け頑張るのでよろしく」との言葉を頂きました。
沖林野庁長官への要望
長官室での説明
金田衆議院議員への要望
【 ニュース 】ドローンの活用研修会に参加しました
空からの情報を得る有力な方法であるドローンについて勉強しようと、去る11月9日(木)、平鹿地区林業後継者協議会主催で、「森林・林業分野におけるドローン活用研修会」が開かれ、森林組合、市町村、県などの林業関係者50名が出席しました。当社団は、いち早く林業調査にドローンを活用していることから、当研修会でドローンのデモンストレーション操縦を行いました。
現場でのドローン操縦状況を一通り参加者で確認後、森林総合研究所東北支所小谷英司氏により、現時点でのドローンによる森林・林業利用の実態について講演が行われました。
講演では、ドローンの写真撮影、オルソ画像による分析の実際、航空法などの規制状況の説明の後、森林計測や新植地での活用・調査の実例などが示されました。測量などの活用は有力であるものの、測樹などでは引き続き、各計測機器の特性や運用方法を知ることが課題としてあげられました。また、山元の伐採利益が年々減少する中、利益とコスト管理の徹底が必要になったことにより、ドローンなどの新技術の導入研究が進んでいるとしています。
(今後のドローン活用について)
かって軍事用などに使われていたドローンが、空の産業革命の旗手として我々の身近に本格登場して5年ほど経ちます。空撮はもとより、測量、点検作業、農薬散布、物流、緊急時利用など多方面で期待され、安全面、プライバシーなどから新たな規制も始まりました。
森林、林業への応用も期待されており、現在、大学や研究機関、企業などで研究が行われています。森林の概観探査から始まり、植生調査、資源・材積把握、森林土木事業での箇所・ 路線選定や測量、森林病害虫探査など活用範囲は広いものと思われます。
当社団では、今後の森林・林業関係の調査事業への広範囲な活用を視野に、2年ほど前から、ドローン一機を保有しています。現在は、各種の空撮利用に加え、松くい虫やナラ枯れなどの森林病害虫の調査事業に活用しています。病害虫調査の場合、調査対象が昆虫や樹木など生きた相手であるため、生態サイクルを理解しなければ調査が思うように進みません。具体的には、羽化脱出はいつか、罹病木は、いつ、どのように外見が変化するか、他樹種との判別のポイントはどうか、探索時の気象条件はどうかなど課題も多く、県内各現場ごとに調査時期や地形などの微妙な違いも把握しておく必要があります。
ドローン活用は、小谷氏からも指摘があったように、実例が少なく試行錯誤しながらの調査ですが、さらに、新規の展開が期待される分野での実証も、県内の現場で積極的に積み重ねていく必要があります。当面、現在行われている森林病害虫調査に加え、平坦地でのスギ林分の蓄積把握、皆伐・新植地での検査や測量、経年観察、荒廃渓流や海岸浸食などの長期的な観測、保安林の管理などでドローンによる調査実証が期待されていると思われます。
今後とも、ドローンを単なる一過性の空撮や測量に活用することで終わることなく、森林、林業との関わりにおいて、生きた動植物、変化する地形、動く土砂との関係性を重視しながら、これからの各種調査に活用していきたいと考えます。
現場でのドローン操縦状況を一通り参加者で確認後、森林総合研究所東北支所小谷英司氏により、現時点でのドローンによる森林・林業利用の実態について講演が行われました。
講演では、ドローンの写真撮影、オルソ画像による分析の実際、航空法などの規制状況の説明の後、森林計測や新植地での活用・調査の実例などが示されました。測量などの活用は有力であるものの、測樹などでは引き続き、各計測機器の特性や運用方法を知ることが課題としてあげられました。また、山元の伐採利益が年々減少する中、利益とコスト管理の徹底が必要になったことにより、ドローンなどの新技術の導入研究が進んでいるとしています。
(今後のドローン活用について)
かって軍事用などに使われていたドローンが、空の産業革命の旗手として我々の身近に本格登場して5年ほど経ちます。空撮はもとより、測量、点検作業、農薬散布、物流、緊急時利用など多方面で期待され、安全面、プライバシーなどから新たな規制も始まりました。
森林、林業への応用も期待されており、現在、大学や研究機関、企業などで研究が行われています。森林の概観探査から始まり、植生調査、資源・材積把握、森林土木事業での箇所・ 路線選定や測量、森林病害虫探査など活用範囲は広いものと思われます。
当社団では、今後の森林・林業関係の調査事業への広範囲な活用を視野に、2年ほど前から、ドローン一機を保有しています。現在は、各種の空撮利用に加え、松くい虫やナラ枯れなどの森林病害虫の調査事業に活用しています。病害虫調査の場合、調査対象が昆虫や樹木など生きた相手であるため、生態サイクルを理解しなければ調査が思うように進みません。具体的には、羽化脱出はいつか、罹病木は、いつ、どのように外見が変化するか、他樹種との判別のポイントはどうか、探索時の気象条件はどうかなど課題も多く、県内各現場ごとに調査時期や地形などの微妙な違いも把握しておく必要があります。
ドローン活用は、小谷氏からも指摘があったように、実例が少なく試行錯誤しながらの調査ですが、さらに、新規の展開が期待される分野での実証も、県内の現場で積極的に積み重ねていく必要があります。当面、現在行われている森林病害虫調査に加え、平坦地でのスギ林分の蓄積把握、皆伐・新植地での検査や測量、経年観察、荒廃渓流や海岸浸食などの長期的な観測、保安林の管理などでドローンによる調査実証が期待されていると思われます。
今後とも、ドローンを単なる一過性の空撮や測量に活用することで終わることなく、森林、林業との関わりにおいて、生きた動植物、変化する地形、動く土砂との関係性を重視しながら、これからの各種調査に活用していきたいと考えます。
【 ニュース 】公益目的事業で震災後の海岸林復旧対策事業地を研修しました
去る10月12、13日の2日間、震災発生後6年経過した岩手県の海岸部の震災復旧事業地を視察研修しました。これは、当社団の公益目的事業の一環として、広く県や市町村の職員の皆さんを対象に、森林土木事業の技術向上を目的に実施したもので、今回は、県関係者10名、当社団6名の計16名が参加しました。
平成23年3月に発生した巨大な津波は、多くの生命・財産を奪い、社会基盤を破壊しました。海岸林の被害も全国で3660haに及び、特に、岩手県から福島県にかけて被害が甚大で、消滅した海岸林も多いと聞きます。国では、平成24年に復旧に向けた基本方針をつくり、現在、各県で護岸工や植栽工などを実施している途上であるとのことです。
(視察地1 高田松原地区)
350年の歴史を持つ有名な「高田の松原」は津波の巨大なエネルギーによりほとんど消滅し、後方の中心市街地に壊滅的被害をもたらしました。現在は、海面高3mの第一線堤(護岸工)を造成し、その背面に、植栽木に影響を与えないように海面高3.6mまでの盛り土、さらに、林帯幅約100mの計画でコンテナ苗のアカマツ、クロマツ植栽を実施しています。植栽木は将来の松くい虫被害に備えマツノザイセンチュウ抵抗性苗を使用、また、将来の林分過密化を防ぐ配慮として、植栽密度はヘクタール当たり5000本と比較的少なくしていました。さらに、その後方には、海面高12.5mの第二線堤が造成されています。なお、人々に松原を身近に感じてもらうため、植栽8haのうち2haを市民参加により実施する計画です。事業期間は平成26~31年度で総事業費13億円の大きなプロジェクトとなっています。
(視察地2 釜石市根浜地区)
当地区は海岸林延長573mのうち、特に起点側と終点側が大きな被災を受け防潮堤を新設し、その他の部分は1mほどの地盤沈下分を既設防潮堤の嵩上げで対応しておりました。防潮堤の高さは、幾多の地元協議を経て、最終的に海面高5.6mとなりました。また、消失した海岸林0.47haは植栽工を実施しておりました。
(視察地3 宮古市田老地区)
当地区は、明治(1896年)、昭和(1933年)と続けて大津波による壊滅的被害を受け、俗に「万里の長城」と呼ばれる海面高10mの長大な防潮堤を築いたことで有名ですが、このたびの津波は、この防潮堤も越え町に壊滅的な被害を及ぼしました。当地域では防潮堤の新設、増設とともに、既設防潮堤を「震災遺構」として保存活用しています。また、過去に度重なる津波被害を受けてきたことから、町では避難や防災教育にも熱心であったと聞きます。災害への住民意識が高かったこともあってか、被災後、いち早く、町づくり復興計画をまとめ、高台への集団移転を早期に完成させていました。
(視察研修を振り返って)
今回の研修では、防潮堤や海岸植栽の技術的な観点はもとより、防災施設と土地利用、避難施設、避難体制などのハードとソフトの組み合わせにより防災計画を策定することの大切さを改めて実感しました。例えば、巨大津波を想定しつつも、施設のみに頼らない「減災」の視点を持ち、景観、土地利用、住民避難なども考慮し、地域の意見を取り入れ、地域ごとに防潮堤の高さを設定していることなどに、ソフト重視の考え方が強く感じられました。すなわち、ハード的な考えも大切ですが、地元の皆さんとの意見交換が計画や具体的な事業を進める上で大きな力となっているということです。
今回、研修参加者からは、海岸林の重要性を再認識した、今後もこうした研修機会を充実していただきたい、などの声が多数寄せられました。当社団では、現場で幅広く治山林道業務に携わる関係者の皆さんの一助にと、今後もこうした公益業務を行っていくこととしております。
終わりに、多忙な中、現地の説明を頂いた岩手県職員の皆様に感謝申し上げるとともに、被災地に対し、一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
平成23年3月に発生した巨大な津波は、多くの生命・財産を奪い、社会基盤を破壊しました。海岸林の被害も全国で3660haに及び、特に、岩手県から福島県にかけて被害が甚大で、消滅した海岸林も多いと聞きます。国では、平成24年に復旧に向けた基本方針をつくり、現在、各県で護岸工や植栽工などを実施している途上であるとのことです。
(視察地1 高田松原地区)
350年の歴史を持つ有名な「高田の松原」は津波の巨大なエネルギーによりほとんど消滅し、後方の中心市街地に壊滅的被害をもたらしました。現在は、海面高3mの第一線堤(護岸工)を造成し、その背面に、植栽木に影響を与えないように海面高3.6mまでの盛り土、さらに、林帯幅約100mの計画でコンテナ苗のアカマツ、クロマツ植栽を実施しています。植栽木は将来の松くい虫被害に備えマツノザイセンチュウ抵抗性苗を使用、また、将来の林分過密化を防ぐ配慮として、植栽密度はヘクタール当たり5000本と比較的少なくしていました。さらに、その後方には、海面高12.5mの第二線堤が造成されています。なお、人々に松原を身近に感じてもらうため、植栽8haのうち2haを市民参加により実施する計画です。事業期間は平成26~31年度で総事業費13億円の大きなプロジェクトとなっています。
(視察地2 釜石市根浜地区)
当地区は海岸林延長573mのうち、特に起点側と終点側が大きな被災を受け防潮堤を新設し、その他の部分は1mほどの地盤沈下分を既設防潮堤の嵩上げで対応しておりました。防潮堤の高さは、幾多の地元協議を経て、最終的に海面高5.6mとなりました。また、消失した海岸林0.47haは植栽工を実施しておりました。
(視察地3 宮古市田老地区)
当地区は、明治(1896年)、昭和(1933年)と続けて大津波による壊滅的被害を受け、俗に「万里の長城」と呼ばれる海面高10mの長大な防潮堤を築いたことで有名ですが、このたびの津波は、この防潮堤も越え町に壊滅的な被害を及ぼしました。当地域では防潮堤の新設、増設とともに、既設防潮堤を「震災遺構」として保存活用しています。また、過去に度重なる津波被害を受けてきたことから、町では避難や防災教育にも熱心であったと聞きます。災害への住民意識が高かったこともあってか、被災後、いち早く、町づくり復興計画をまとめ、高台への集団移転を早期に完成させていました。
(視察研修を振り返って)
今回の研修では、防潮堤や海岸植栽の技術的な観点はもとより、防災施設と土地利用、避難施設、避難体制などのハードとソフトの組み合わせにより防災計画を策定することの大切さを改めて実感しました。例えば、巨大津波を想定しつつも、施設のみに頼らない「減災」の視点を持ち、景観、土地利用、住民避難なども考慮し、地域の意見を取り入れ、地域ごとに防潮堤の高さを設定していることなどに、ソフト重視の考え方が強く感じられました。すなわち、ハード的な考えも大切ですが、地元の皆さんとの意見交換が計画や具体的な事業を進める上で大きな力となっているということです。
今回、研修参加者からは、海岸林の重要性を再認識した、今後もこうした研修機会を充実していただきたい、などの声が多数寄せられました。当社団では、現場で幅広く治山林道業務に携わる関係者の皆さんの一助にと、今後もこうした公益業務を行っていくこととしております。
終わりに、多忙な中、現地の説明を頂いた岩手県職員の皆様に感謝申し上げるとともに、被災地に対し、一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
【 ニュース 】秋田県林業コンサルタントが日本赤十字社「金色有功章」を受賞しました
去る11月7日、当社団が日本赤十字社から「金色有功章」を授与されました。これは、日本赤十字社秋田県支部創立130周年を記念して、秋田県民会館において開催された「秋田県赤十字大会」で、赤十字事業の推進に貢献したと評価された県内の5個人、28法人が表彰され、当社団も法人表彰されたものです。
当日は、関係者1500名が参集した大会の席上、名誉副総裁である秋篠宮妃殿下から、当社団の小川理事長に表彰状が手渡されました。
赤十字の活動は、緊急時の災害救護活動をはじめ、心肺蘇生などの講習会の開催、災害救護車、炊き出し用炊飯器、AEDなどの配備、ボランティアの育成など多方面にわたっています。
当社団は、これまで林野災害の復旧対策に関わってきた立場から、こうした赤十字活動に賛同し、些少ながら長年にわたり、活動資金協力を続けてきたもので、今後も支援を続けていく予定としております。
当日は、関係者1500名が参集した大会の席上、名誉副総裁である秋篠宮妃殿下から、当社団の小川理事長に表彰状が手渡されました。
赤十字の活動は、緊急時の災害救護活動をはじめ、心肺蘇生などの講習会の開催、災害救護車、炊き出し用炊飯器、AEDなどの配備、ボランティアの育成など多方面にわたっています。
当社団は、これまで林野災害の復旧対策に関わってきた立場から、こうした赤十字活動に賛同し、些少ながら長年にわたり、活動資金協力を続けてきたもので、今後も支援を続けていく予定としております。
【 ニュース 】治山事業100周年記念治山功労者表彰で林野庁長官賞受賞
治山事業100周年記念治山功労者表彰で林野庁長官賞受賞
一般社団法人秋田県林業コンサルタント(理事長 佐々木誠)は、治山事業推進等の功績が認められ「治山事業100周年治山功労者表彰」の林野庁長官賞を受賞いたしました。
4月9日(水曜日)15:00~東京都千代田区平河町の海運クラブで記念式典が執り行われ、理事長 佐々木誠が参列し、沼田林野庁長官より表彰を受けました。
「治山事業100周年治山功労者表彰」は、一般社団法人日本治山治水協会(会長 山口俊一会長)が、治山事業が明治44年(1911年)に第1期森林治水事業として開始されてから平成23年で100周年を迎えたことを記念して、治山事業の推進等に功績のあった個人及び団体を表彰するものです。
表彰状を授与される佐々木理事長
最後列左側から一般社団法人日本治山治水協会 山口俊一会長様、
江藤拓農林水産省副大臣様、沼田正俊林野庁長官様、
日本林業協会 前田直登会長様